令和元年度特別展 樹木年輪と古代の気候変動

令和元年度特別展 樹木年輪と古代の気候変動

  • 会期 令和元年9月14日(土)から令和元年11月24日(日)
  • 場所 大阪府立狭山池博物館特別展示室
  • 主催 大阪府立狭山池博物館 大阪狭山市立郷土資料館
  • 後援 南海電気鉄道株式会社 泉北高速鉄道株式会社
  • 協力 日本書紀研究会    鋳造遺跡研究会

主旨 

狭山池の築造と改修の歴史は文献史料・発掘成果・樋管などの年代測定によって明快にされてきました。なかでも、樋管などの伐採年が年輪年代測定によって確定、文献史料にある改修の歴史と整合したことは大きく評価されています。

ところで、樹木年輪の研究は伐採年の追求のみならず、過去に温暖な年と寒冷な年が繰り返されたという気候変動を明らかにすることが分かっています。気候変動は、コメの収穫に頼るわが国の歴史に大きな影響を与えることも重視されています。

今回の特別展では樹木年輪から古代の気候変動や、伐採年が判明した木製品などを紹介・展示します。以上により、狭山池発見資料の歴史的価値を再認識していただき、地域アイデンティティーを醸成する機会になることを目指します。

展示構成

1 気候変動  
2 年輪年代測定法  
3  暦年代の諸例
4 発掘された洪水痕跡   
5 狭山池出土資料の年輪年代 など

主な展示品

1・2 屋久杉・測定機器・年輪試料円盤 

3 弥生時代 雁屋遺跡 木棺(BC142+α年)・弥生土器、

      纒向石塚墳丘墓 木製品(177+α年)・弥生土器

  古墳時代 鴨都波1号墳 三角縁神獣鏡・玉類・土師器(布留2式土器)

      宇治市街遺跡 木製品(389年)・土師器・初期須恵器

      佐紀遺跡 木製品(412年)・土師器・初期須恵器

      ニサンザイ古墳 木製品(427+α年)・円筒埴輪

      下田東2号墳 木棺(449+α年)・須恵器

 飛鳥時代 平尾遺跡 井戸枠(704+α年)・土師器・須恵器  など

4 大和川流域の洪水層など出土資料、弓削遺跡・久宝寺遺跡・竹渕遺跡・渋川廃寺下層 など

5 狭山池出土年輪年代測定資料・狭山池北堤基盤層出土須恵器 など

 歴史セミナー(大阪府立狭山池博物館ホールにて・先着順126名まで)

第一回 日時 令和元年9月22日(日) 午後2時から4時半

     「近年の古代史における暦年代研究をめぐって」 西川寿勝(当館)

    「半島の倭系資料からみた暦年代」       柳本照男氏 (元韓国東洋大学校教授)

第二回 日時 令和元年11月3日(日) 午後2時から4時半

     「古代の気候変動研究をめぐって」    西川寿勝(当館)

「年輪年代測定標準パターン作成のころ」 光谷拓実氏 (独立行政法人奈良文化財研究所客員研究員)