敷葉工法
名称 敷葉工法(しきはこうほう)
時代 飛鳥時代~奈良時代
指定 未指定
概要
狭山池では飛鳥時代~奈良時代の堤で確認された土木技術である。植物の葉、枝、樹皮などを何層にもわたって敷き並べながら土を積みあげるもので、現代のジオテキスタイル工法に通じる。盛土のすべりや崩れを防ぐための技術で、狭山池では膨大な水圧を受け止める強固な堤をつくることができた。
狭山池以外では福岡県の水城(城壁)、大阪府の亀井遺跡(堤)、鳥取県の古代山陰道の関連遺跡群(道路)など、主に西日本の弥生時代~古代の遺跡で確認されている。しかし、この「盛土中に植物を敷き並べる土木技術」の発祥は国内ではなく、中国の江南地方とみられる。江南地方で発達したのち、朝鮮半島に伝わり、さらに日本へもたらされたと考えられている。その背景には、当時の国家間の同盟関係や渡来人などの存在が想定されている。
なお、狭山池では枝と葉を敷き並べていたが、樹皮を敷き並べる場合も見つかっており、「敷葉工法」と呼んでいるが葉がない場合もある。