復元した石樋

名称  石樋(いしひ)

時代  鎌倉時代

指定  重要文化財

概要
 鎌倉時代の中樋は重源により設置されたが、「慶長の改修」で全面的に改修されたため詳しい構造はわかっていない。しかし、『南無阿弥陀仏作善集』には長さが6段(約65m)の「石樋」を設置したことが書かれていた。「大正・昭和初年の改修」時に放水部で古墳時代の石棺が数基見つかり、末永雅雄博士はこの石棺が重源の「石樋」ではないかと考えた。その後、「平成の改修」に伴う発掘調査でも多数の石棺等が見つかり、そのうちの4点に残る痕跡から「石樋」の取水部を復元し、当館にて展示している。
 復元した石樋のうち3点は家形石棺の棺身部とみられ、兵庫県高砂市近辺の竜山石(流紋岩質溶結凝灰岩)を使っている。端の石棺下に敷いてある竜山石製の部材は石棺ではなく、横口式石槨の構築部材を転用したとみられている。

備考
 石樋の三次元計測データを動画にしてYouTubeで公開していますので、ぜひご覧ください。三次元計測および動画作成はクモノスコーポレーション株式会社様に行っていただきました。

 復元した石樋の動画はこちら → 石樋に転用された古墳時代の石棺 – YouTube

 家形石棺の動画はこちら → 刳抜式家形石棺の蓋 – YouTube