上層東樋

名称  上層東樋(じょうそうひがしひ)

時代  江戸時代

指定  重要文化財

概要
 江戸時代初期の「慶長の改修」により新しく造られた樋で、飛鳥時代の東樋(下層東樋)のほぼ真上から出土した。当館に移築・展示している。
 上層東樋は中樋や西樋と異なり、尺八樋ではなく、取水部は1段である。樋管は分厚い板材でつくられた底板、側板、蓋からなり、すべてを釘で固定している。隙間には「まきはだ」を埋め込んで、漏水を防いでいる。
 表面には焼印(やきいん)、墨書(ぼくしょ)、刻印などがみられる。焼印は商家の通称や店名を表すものと考えられる。また、部材の組み立て順番を記した墨書や魚やねずみの落書きなどが見られる。刻印はすべて記号で、刃物で刻んでいる。