「ため池ものがたり」開催までのストーリーその3【狭山池博物館

開催中の企画展「ため池ものがたり」もうご覧いただけましたか。

シリーズ「開催までのストーリー」の第3弾
今回は開催約一年前のできごとをお届けします。

【開始358日前】今回の企画展開催にあたって、多くのため池をたずね、話を聞かせていただきました。この日私たちは日本で一番ため池の多い地、兵庫を訪ねていました。

行程は昆陽池→御坂サイフォン橋→練部屋分水所→淡山疎水・東播用水博物館→加古大池→天満大池

まずはため池100選に選ばれた昆陽池です。行基つながりで久米田池とともに紹介しています。

ここへきて池以外のことがとっても気にかかる一同
この樹はラクウショウ(落羽松)で奇妙な根が出ています。

湿地では酸素が少ないのでこうした気根が根元周辺にニヨキニョキと出て樹に空気を送っているそう。

 

ここからは東播用水土地改良区の福田さん・兵庫県東播磨県民局の長谷坂さんにお話を伺います。

御坂サイフォンを見学。水を通す努力が壮大すぎます。画像の赤丸の場所に水をつなぎます。途中川があります。水はいったん下がり橋の中をとおり、坂をかけあがります。展示だけでなくぜひ、現場も見ていただきたい場所です。

明治24年につくられた「練部屋分水所」
この円筒分水施設では淡河川(おうごがわ)と山田川から水を集め、4つの地域へ正確に配水しています。

このような構造の配水施設は各地にあり、今でも使用されていることから、公平な水の配分の答えのひとつと考えられ、その機能美とも相まってファンの多い土木遺産です。

天満大池 築造は白鳳3年(675)と伝わる兵庫で最も古いため池です。池の北側に位置する天満神社の秋祭りは有名で、神輿を天満大池に投げ込んで担ぐという勇壮なものです。


加古大池 兵庫最大のため池で、野鳥や水生植物の観察のほかウォータースポーツや釣りもできる、「開かれたため池」といった言葉がぴったりの場所でした。展示ではため池のネットワーク「いなみ野ため池ミュージアム」も紹介しています。

「ため池ものがたり」会期はあと二週間になりました。7月2日(日)まで。どうぞお見逃しなく!

シリーズは続きます。

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